主任研究員ブログ

実社会に出る心構え

こんにちは、
租税調査研究会事務局です。

WS000000本日は、武田恒男主任研究員が今から26年前に税務大学校において
教育官だった頃当時の生徒に向けて記した記事を紹介します。
今でも実社会で生きる内容です。

——————————————————————–
「実社会に出る心構え」   教育官 武田 恒男

私も四七期、四八期、四九期の普通科教育官を終了し、
本年六月末には皆さんと同様に、税務の第一線の職場に復帰する。
そこで、私自身も含めて、「実社会に出る心構え」を考えてみたいと思う。

一 税大と職場は違う

1.今までは税大で授業として教育を受けた。欠点があってもあった(再試で賄った)で済んだが、今度は現実の場で実学として教育を受ける。したがって、欠点は厳しく責められる。
2.税大にはいろんな規則があり、抵抗を感じた者もあろう。しかし、税務の職場には更に厳しくなる。遅刻、欠勤が多ければ、税務署、しいては日本の国家はどうなるか。
3.租税とは、国家及び地方公共団体がその一般経費に充てる目的をもって無償で国民から強制的に徴収する財と言われている。このことから、租税は、租税が国庫にもたらす純収入と、国民の納付する額との差額が最も少ないのが良いとされている。すなわち、徴税費が最も少なくて、多くの収入をあげるようなものが良税とされる。そのためには徴税費をおさえる。私も含めて皆さんの給料も徴税費に入るのだから、何を期待するのかわかるだろう。
4.お客である国民があって、税の職場がある。お客である国民がつかなくなったら、税務の職場は終りだ。お客に対する態度は「輸誠の精神」で行こう。
5.職場は部門を単位としたチームだ。野球と同じようにスタンドプレーはきらわれる。各自のポストに責任を持ったチームワークが要求される。監督である統括官の指示に従うことも当然の帰納である。
6.公務員だからといって、遅れず、休まず、仕事せずではなんのために生きているのかわからない。税務の仕事を通じてどの位社会に貢献できたかを生きがいにしたいものだ。

二 職場では

1.人を尊重する・・・納税者も含め、相手の立場になってもの考える思いやりを忘れない。
2.人を楽しくさせる・・・相手はもちろん第三者に対しても悪口は言わない。
3.仕事本位・・・仕事をしているときは、そのことに専念しよう。
4.合理性・・・言葉や態度は簡潔で確実、迅速なことが良い。仕事及び行動に誤があったら素直に認めよう。
5.誠意・・・人の行為の基本である。基本が大事である。
6.協調性と積極性・・・税務の職場はチームワークで動いている。
7.感謝・・・人は互いに助けあって生活している。
8.明朗性・・・朗らかな人がいると職場に楽しい雰囲気が出来る。
9.創造性・・・現在に満足していると進歩がなくなる。