美容整形外科の税務調査

美容外科の特徴として、
広告・宣伝費に力を入れていることは前回紹介しました。
つまり、お金をかけているわけです。

税務調査では、
このお金をかけている部分がしっかり見られます。
調査官からすれば、そこが調査のポイントになります。

以下そのポイントです。

(1)広告宣伝費が高い者

美容外科は、他の医療保険業に比べ広告宣伝費の割合の高い者が多いことから、同業者と比較され過大・便乗広告費が検討されます。

(2)人件費率が高い者

人件費については、広告宣伝費とともに経費に占める割合が高く、不正計算の多い科目と言われているので、特に注意して検討しておく必要があります。

(3)診療室・院長室・事務室の確認

診療室・院長室・事務室の確認は、営業活動におけるモノ、カネ、ヒトの流れ掴むのに不可欠な場所です。
というのも、原始記録等が作成される場所であり、これらの原始記録等を把握することが不正発見のキーポイントとなるためです。
顧問税理士としては、原始記録等を把握し、責任者から取引等の流れについて聴取しておくことが重要です。

(4)理事長・院長の自宅

理事長、院長の自宅は、カネやモノが集約される場所であり、 不正計算の痕跡(収入除外のメモ、仮名預金などのメモ類)を残していることが多い場所です。
そのため、顧問税理士としては、理事長、院長の自宅を訪問しておくことも重要です。
建物や内部の調度品(特に絵画や骨董品)等を参考に、生活面から報酬等に合致しているか、この辺りもしっかり検討をしておく必要があります。

(5)美容外科の料金

美容外科は、治療医学の分野ではないため、保険診療は受けられません。
保険診療は、通常治療的医療の場合しか適用されず、通常の出産や人間ドックなどと同様、すべて自由診療料金であるため、料金体系は病院によりさまざまです。
調査受検前の検討として手術料金の確認は重要です。

手術料金の把握については、以下を参考にクライアントに確認。
各部位の手術内容です。(つづく)